四川麻婆豆腐 (スペシャル 650円)
甘美な言葉だけを食べてしまった
麻婆豆腐と炒飯。何でも並べれば良いと思っている。
しょっぱ過ぎる麻婆豆腐と炒飯は、
全く折り合わずに互いが互いを殺している。
麻婆豆腐は白米こそが最良のパートナーであることを、
ここの料理人に教えるべきだ。
ところが、とあるベテランシーガリストによれば、
五本の指に入る出来だという。
他の四本が何なのか知りたいところだ。
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フライドチキン (Aランチ 500円)
月が遠くで泣いている
隕石のようにも見えるが、正体は巨大な唐揚げである。
フライドチキンのパロディー的な何かかもしれない。
メニュー表には「スタンダードが難しい」とあった。
今さら何を。
そこは頑張ってもらわないとだ。
厨房組は全員、調理実習から出直すべきだと思う。
全員、調理実習から出直すべきだと思う。
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ブラックカレー (カレー 500円)
汗ばむ背中 日差しに揺れ
カレーを専門とするシーガリストは悩む。
「最近シーガルのカレーが美味しくなってきた」
それはシーガルのカレーの向上なのか。
自身のカレーレベルの低下なのか。
ぬるくないカレーが食べられなくなる。
それは全てのシーガル常習者に起こりうる。
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チキンペッパーグリル バルサミコソース (Aランチ 500円)
溺れるほど赤い吹き溜まり
バルサミコ酢の匂いが強烈。
以下、実際にあったやり取り。
:味はどうですか
「食べてみると匂いはそれほど気にならないですね」
:味はどうですか
「ヒレカツ丼にすればよかったと思います」
:味はどうですか
「おいしくないですね」
:よかった
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とんかつ (ディナー 500円)
口を閉ざし途方にくれる
自分で切らなければならない。
ソースは勝手にかけられる。
食べ終わる頃に冷め切る絶妙のぬるさ。
この耐え難い硬さ。
最初、たわしの一種なのかと思った。
こんな調理をされた食材が不憫でならない。
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ポトフ (Aランチ 500円)
この目が見たうねる空の色
シーガルは今日が初めてというある女性に聞いてみた。
:どうですか?
「ぬるいですね」
:どうですか?
「天井が高くて広い感じがしますね」
:どうですか?
「この辺て、他に食べるところあるんですか」
:どうですか?
「おもしろいです」
:味は……?味は……!?
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上天丼 (スペシャル 600円)
雲はまるで燃えるような紫
「てんやに行きたくなった」
誰かのその一言で皆の目が覚めた。
ぬるい天麩羅を「上」と言い張るか。
しおしおになった衣を「上」と言い張るか。
一体何を基準に「上」と言い張るか。
てんや、行きたい。
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マレーシアカレー (カレー 500円)
それでも辿りついたりする
カレーを専門とするシーガリストによれば
最もオススメなのがこのマレーシアカレーだという。
どこがどうマレーシアなのかはさておき、
シーガルのカレーにしては多めに用いられた
肉の存在が大きいらしい。
一方で、最もまずいのが野菜カレーだという。
宇宙人に「まずいものとは?」と訊かれたら迷わず
「シーガルの野菜カレー」と答えるらしい。
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東京五目タンメン (ラーメン 550円)
この目さえ光を知らなければ
誰もが目を疑った。
伊達巻が乗っている。
正月の余りモノにしては時期が遅すぎる。
それ以前に、タンメンに伊達巻とは聞いたことが無い。
何でも乗せればいいと思っていないか?
卵系や練り物系など重複が多いのではないか?
数々の物議を醸し出したが、ある果敢なシーガリストからは、
「意外とおいしい」という感想を得た。
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森のキノコのポークカレー (カレー 500円)
深い樹海は暗く 祈り飲み込んで
カレーを専門とするシーガリストによれば
これを食べたショックのあまり、その夜、
某ファミレスにカレーを食べ直しに行ったという。
「変な汁に巻き込まれたキノコが可愛そう」と嘆いていた。
曰く、スキー場のカレーを髣髴とさせるまずさらしい。
スキー場はスキーに来たというシチュエーションが
まずさをある程度緩和してくれるが、ここシーガルでは……。
スキーの格好をして行けばこのカレーも、
雰囲気に紛れておいしく感じられるのではという推論に行き着いた。
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マカロニグラタンとタンドリーチキン (スペシャル 600円)
どこへ行こうか あてのない僕ら
パンorライスとあるが、実はパンを選択すると
付け合せのポテトが付かないことが注文後に判明。
正しくはパンor(ライスandポテト)である。
折りしも、小鉢はブルガリアヨーグルトしか残っておらず、
フランス(グラタン)、インド(タンドリーチキン)、
日本(ライス)、ブルガリア(ヨーグルト)という
実に国際色豊かなプレートが出来上がった。
客に何をさせたいんだ。シーガル。
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鶏の唐揚げ (Aランチ 500円)
強張る頬が 削げ落ちても
異常な硬さを誇ることで有名なシーガルの鶏の唐揚げ。
「せんべいの音がする」
「硬い唐揚げ選手権があったら優勝候補」
「石」
「靴に入っていたら、かなり痛い」
「空から降ってきたら確実に死人が出る」
「胸ポケットに入れておけば弾丸を防いでくれる」
「むしろ弾丸」
といった意見が出た。
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サーロインステーキ (Sランチ 700円)
明ける事の無い闇夜は 安らかに
シーガル曰く「ちょっぴり早い」クリスマスメニュー。
禁断の700円ランチの実力はいかに。
厨房でフライパンで焼いていたのに、
しょぼい皿のせいで恐ろしい速さで冷めていく肉。
ポタージュがいつもの味噌汁の器に入っている。
ポテトはふやふやで冷たい。
ほんの僅かでも期待したのがいけなかった。
教訓。
「ステーキはちゃんとした店で」
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ビーフハヤシハンバーグ (Sランチ 650円)
強い光は影を焦げ付かせて冷えた
これは豪勢な。
ハンバーグにビーフハヤシソース、
クリームコロッケにはタルタルソース、
ポテトにコーン、温泉たまご。
豪華絢爛のパレード。
酒池肉林のカーニバル。
百花繚乱の総進撃。
でも、全然嬉しくないのはなぜだろう。
この感じは、そうだ、
小児が云うところの「いちおくまんえん」だ。
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ハンバーグカレー (カレーB 550円)
痛んでいくのは 懐かしい景色
カレーを専門とするシーガリストは
最近ハンバーグカレーが気になりだしたという。
カツカレーが到達した、あの組み合わせの説得力に
ハンバーグカレーは及ぶのか。
ハンバーグがおいしい店で試したところ、ダメであったという。
そして今日、ハンバーグが不味いことで有名なシーガル。
やはりダメであった。
確信を持って進む転落の道。
厨房の奥に笛吹きでもいるのだろうか。
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小鉢 (80円)
光の中 思い出は旅立つ
ガル部卒業生を祝う、小鉢パーティー。
何となく予想はついていたが、並べてもショボかった。
むしろ切なさが倍増されて心を乱れ打った。
これがドラゴンボールだったら、一万個集めても神龍はおろか、
ミミズさえ出てこないだろう。
ランチの魚が残念な感じだったので、
とろろと納豆は一騎当千の大活躍を見せた。
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ビーフサラダボウル アジアンスタイル (Sランチ 600円)
帰ろうか 笑って帰ろうか
肉と麺とレタス。下にはご飯が。
基本が出来ていないのに創作しようとするのは
シーガルの悪い癖。
原付の免許を取っただけなのに
いきなり航空機でアクロバット飛行をするような
そんな無謀なチャレンジ。
帰りにランチ値上げの張り紙を見つけた。
あと何回ここに来るのだろう。
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牛ロースステーキ丼 (Sランチ 750円)
ひとしずくの血潮で風を起こして
「いつもよりいいお肉を使っているから美味しいですよ。多分」
券売機の前でおばちゃんはそう言った。
ガル部新入部員を含む総勢8人中7人が言葉に乗った。
そして結果はどうか。
「………硬い………」「噛むほどスジになっていきますね……」
「なぜご飯の上に乗せるのか分からない……」
「丼じゃないし………」「肉に対してご飯が多い…」
「カタい……」「……つめたい……」「……固い……」
参りました。
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坦々焼きそばとおこわ (ご当地ラーメン 600円)
お行儀よくお辞儀を済ませたら
なぜ、しょっぱいものにしょっぱいものを組み合わせるのだろう。
席が麦茶バーの近くでなければ、苦しむところだった。
食べる人の事を考えていないメニュー。
ここシーガルではよくあることだが、
この傾向は、価格改定後により顕著になった。
焼きそばだけを400円くらいで出せばいいのに。
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